インラインスケートでトリックスラロームを楽しもう!

タイム計測システム開発記#05

タイム計測システム開発記#05

けいそくん3号/電子回路 けいそくん3号/LEDライト

 さて、動作上の問題点ですが、電子回路の改良で対応してみることにしました。具体的には「スイッチがONになった後1~2秒間はONの状態が続いてからOFFになる」という動作ができれば、1~2秒の間にスケーターの体全体がスタートセンサーを通過してくれれば、うまく機能するはずです。インターネットをいろいろ調べてみると「ディレイ回路」というのが見つかりました。トランジスタのスイッチング動作を簡単な回路構成で数秒遅らせることができる回路です。試しに手持ちの部品で組んでみたところ、確かにリレーのON/OFFに数秒の時間差を発生することができました。ところが実際に「けいそくん2号」に組み込んでみると、上手く動作しません。よく調べるとこのディレイ回路は初めのスイッチONが保持されている前提で、そのON状態を数秒後に自動的にOFFする設計でした。「けいそくん2号」は光センサーを通過することで一瞬のうちにON/OFFの動作をしますので、この回路ではうまく働かない訳です。どこをどう変えたら思い通りの動作をするのか?専門知識はないので、回路図とにらめっこをしながらブレッドボードという実験基板上に手持ちのトランジスタや抵抗、電解コンデンサーなどを並べてあれこれ実験をし、ようやく光センサーを物体が通過した後スイッチONが1秒くらい保持されて自動的にOFFになる動作を実現しました。「けいそくん3号」は結局、秋月の「光センサースイッチ」キットは使わずに手持ちの部品を組み合わせて作りました。(我ながら、よくこんなことができたなーと感心!)基板は回路が単純なので、フラット基板の銅箔をPカッターで切り、部品を配置する「ランド方式」で作りました。ただ、手持ちの抵抗やコンデンサーがちょうどいい値の物がなく、それぞれ2個ずつ組み合わせて使ったので、回路図と比べてちょっと部品数が多くなっています。

 センサー部が何とか実現できたので、次の問題は光源とセンサーの距離をどう長くするか、です。考えられる方法は、①電子回路の抵抗値をもっときちんと計算しなおして、光センサーの感度を最大限有効にする。②LEDライトの光束をさらに絞り、なるべく強い光がセンサーに届くように工夫する。の二つです。100円ショップのライトに変えて高価なLEDライトを使えば簡単に実現できますが、そこは「考えられる限り安価なシステム」というこだわりで行きたいと思います。①については手持ちの部品が限られているので、秋葉原に行って色々な値の部品を買ってきて実験してみないと根本的な対策とは言えません。ただ、半固定抵抗を組み込んであるので、この調整の範囲で、最も感度がいい状態にしました。②については、100円ショップのライトを少しいじってみました。レンズを入れてあるヘッド部を気持ち緩めてみたところ、最後まで締めこんだ時よりも光の像がくっきりします。つまりこの状態が最もピントの合う光源とレンズの距離だと考えられます。ホットボンドを使いこの状態で固定しました。(写真上参照)

けいそくん3号/光センサースイッチ

けいそくん3号/光センサースイッチ

 受光部はパイロンを改造して作りました。ねじ止め式で高さ、角度は固定にします。このままでは不安定なので、SEGパイロンⅡで考案した方式でCDに重りを貼り付けたものをパイロンにセットし、安定させています。発光部はLEDライトを塩ビ管で作ったホルダーに入れ、小型三脚に取り付けました。(三脚はこのシステムの中で、本体キットに匹敵する出費でした)こちら側で光軸を調整し、光センサーのセッティングを行います。

 一応の完成を見たオリジナルタイム計測システム「けいそくん3号」は下の写真のようになりました。

けいそくん3号/システム全貌

 トリックスラローム公式競技のパイロンレーン(助走10m、150cm間隔15パイロン)を計測できるようにスタートとゴールの間の31mを結ぶのは50m巻のケーブルです。(実はこのシステムの中で一番高価だったのはこのケーブルです!)
 接続は全てミニプラグのオス・メスの組み合わせで、非常にセッティングが楽になっています。本体は100円ショップグッズをふんだんに使っています。時計基板はお弁当箱の中に置き、LED表示部はポケットティッシュケースに入れてL字金具でつなげました。このケースは奥行きがあり、開口部は楕円形になっています。昼光が明るすぎてLEDが見えにくかったので、このケースで影ができ、読み取りはしやすくなりました。LED表示部には、クリアファイルをサンドペーパーでこすって作ったフィルターを貼りました。環境光の反射を防ぐと同時にLEDの光を少し拡散させるので、さらに見やすくなっています。配線は破壊されたプリント基板から1本1本リード線を出して復活させました。(はんだ付け作業中はドクターXになった気分・・・)本体弁当箱には2か所のスイッチの入力、電源スイッチ、モードスイッチ、アジャストスイッチを配置し、さらに手動でスタート/ストップ/リセットができるようにコントロールボックスを作り、ミニプラグでつなぐようになっています。

 今度のやしおスケートパークで、動作実験を行う予定です。やしおのみなさん、お楽しみに!

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